いばら姫










――― 「ミンナ、少し休もうヨ」と
ジョンに連れて来られたのは
さっきの地下では無く
ボスの居るアパートメントの二階

ワイヤーランプが下げられた煉瓦の部屋


ベットが二つづつ、両方の壁際にあって
真ん中には木製の大きなテーブル

部屋の一番奥には
燭台が置かれた暖炉に火が入っていて
骨付きの肉が入った鍋が
グツグツ言っている


――俺もそうだけど
青山と灰谷は、ジョンとは初対面の様で
ドア近くで挨拶

……そして三人の会話は全て、
英語で成されていた



ジョンが扉を閉める音を聞きながら
リュックをベットに置いて腰を降ろすと
一気に疲れが襲って来る


体よりも
追われて居た時に颯爽と現れてくれた
人懐っこい"サモハン"が偽者

その事実がショックで、頭の中が
グルグル回った




皆、終始無言で
それぞれベットに着く

膝下までの黒いダウンを着た青山は
携帯を持って、再びドアの外へ

灰谷は暖炉の傍に寄って
テーブルの上に置かれた皿に
スープを入れた


『…岡田さん
眠る前に少し食べた方がいいよ

―― 偽サモハンを吊し上げても
アズの居場所
多分あいつは知らないし
金で雇われて近付いたんだと思うから』


「…奴 何処行ったんだ 」


『…奴って? 』


「……青山 」