いばら姫





ジョンの視線は俺を見ずに
視線は膝の間に持ったマグカップ

白い湯気の向こう ――





「 ……いつもの様に
ナイフでバック、切り裂いて
カネメノもの…探した

でも出て来たの、写真だけ――

ハグするファミリー、
パーティーするトモダチ
そんな幸福な風景タチ…

その頃のボク、
そういうの一番虫ずが走るね
"何だこんなもの"って、破った
…ぐちゃぐちゃにね


――――でもね

これだけは、破れなかった… 」



ジョンが胸の財布を開いて出したのは
少し端の切れた部分を
セロテープで補修した写真



…池上が撮ったのは一目瞭然の色

照明は多分、
全体を包んでいるオレンジ色のランプ一本

画面の左には
―― 誰か男の右半分位の身体と
形良く筋肉の付いた上腕が写ってる


ベットで起きかけのアズは
少し丸まったまま
髪はベリーショートで

顔付きも体つきも
今のアズに較べると、別人みたいに幼い


背中辺りの、シーツが造る陰影が
ちょうど羽根が生えている様に
見せていて
まるでクリスマス時期に売っている
外国の古いポートレイトの様だ




" 誰かに向かって、手を延ばす "
それは見たこともない


―――― アズの笑顔 ―――







「…これきっと、
カバンの持ち主の大切な人…
ボクそれ、すぐ…わかった


Policeに捕まる覚悟で…
ボクこれホテルに届けた

その頃あんまりまだ、英語、
キチンと話せなくて

まごついてたら、イケカミが来た

開き直って、ボク
何でも呼べって、そう言ったヨ…


―― それなのにイケカミ、
ボクの顔、絶対覚えてるハズなのに…
ナントお礼、言った

『届けてくれてありがとう』って


..." You Know I'm Say ?! "
....." mildthing?! "

信じられない馬鹿おもったヨ





でも、…イケカミが言ったんだ…


『――このコだったら、
きっとそういう筈だから』…って 」