―― だけどジョンにも会えたし
挨拶も済んで、少し肩の力が抜けた
外の空気を思い切り吸う
「 こっちだヨ オカダ 」
ボスの居たアパートメントの横
地面の鉄板が擦れていて
…その中から
笑い声と音楽が反響して聞こえて来る
「……何ですか?」
「地下のパーティーハウスだヨ
元々は下水溝だったんだ
改造して、夜は皆ここに集まってる
今日は、たくさんご飯をたべて
一晩、よく眠って…
ここはバレにくいとは思うけど
念の為に、一カ所は駄目
蜘蛛の巣みたいに張った
ボクらのネットワークを移動しよう
地面を駆け回るのは、
きっとボクらのが得意だからネ!」
梯子階段を降りた筒状の闇は
地上よりだいぶ暖かで
水音は何処かから聞こえるが遮断されているのか
床の溝にコンクリートが流され
歩ける様になっている
―― 突然
子供の叫び声が聞こえて驚いた
どうやら何人かで
追い掛けっこをしているらしく
少し遠くから洩れる光に照らされ
巨大な影絵が周囲を廻っている
ジョンは当たり前だけど
俺も少し背を屈めて、
声の聞こえる道を進んだ
「……ジョンさん 」
「 はい 」
――― 疑問に思っていた事を
そのまま質問してみる
「…何で力を貸してくれたんですか?」
「エ?!だって吉田は、ボクのトモダチ
オカダはボクのトモダチ
―――― そして、『Azurite』は
ボクの、天使さま―― 」
――――― え …
立ち止まった先にある光の元は
バイクのヘッドライトを外した物
資材置き場用の広い空間に
木箱とドラム缶が、壁際に積み上げられ
反響する音は
笑いながら食事を取る集団の声と
低い発電機の回転
いつの時代の物かも解らない
デカいデッキからのHipーHop
天井は、格子状の鉄板になっていて
街灯の明かりがそのまま
地下のここまで差し込んでいる


