…ボスって言うから、
魔窟みたいな所に居るのを
少し想像していた
――― それに『ボス』も
正面に見える四角い窓の向こうには
さっき通って来た広場
ツリーの電源は、
やはりここから引いている様で
白い木枠の硝子窓を少し上に開けて
その隙間にタオル詰めて、
風が入らないよう埋めている
結露の水も吸えて、賢いと思った
暖炉前の椅子から立ち上がり
こちらに歩いて来た足元は、
蜥蜴革の靴
背は俺と、それ程変わらない
ただ
浅黒い肌に映えた、
その白髪からは想像がつかない程
目が生き生きとしていて、
足元までストンと落ちた
"BigMama'らしい真っ赤なニットドレスが
凄く良く似合っている
「...GOOD Evening
Nice to meet You 」
とても小さな声で
だけどとても綺麗な、聞きやすい英語で
握手を交わしてくれた
――― そのまま
また彼女は暖炉の前に、ゆっくり戻り
ジョンを呼び声をかけると、
少し話をして
机の上のPCに向かった
「 オカダ 行こう ご飯を食べるヨ 」
「…あ、 はい 」
――― 扉を閉めて、少し黙り込んだ俺に
ジョンが声を掛けてくる
「 疲れた? 」
「あ …いえ
" ボス "、あまり話してくれなかったから
印象悪かったのかなと… 」
「喋ったヨ!
―― ディナママは、気に入らなかったら
一言も話さないから 」
………… 怖


