いばら姫





――― 笑いあう
たったそれだけで、少し距離が近付いて
皆少しづつ俺にも判るように
ゆっくり話をし始めてくれた


フェデリコはヒスパニック系の移民で
お父さんもフェデリコと言う名前だとか

マイクはこの中ではかなり寡黙だけど
テッドの兄貴分みたいな雰囲気が
伝わって来たし
マイクも体はデカイけど、犬を飼っていて
かなり可愛がっているらしい事

ジョンの直接の知り合いは
マイクという事も判った




――― 大音響の車内で
俺だけ一瞬、静かになる


「 …Where am I 」

" ここは何処か "

その光景を目にして、そう聞いた

かなり古い―――
色彩の無い雑居ビル群と小さな病院

歪んだ鉄骨が剥き出しのまま
放置されたコンクリート壁

茶や灰色
四角い窓と、斜めに昇る階段が
幾つも走る建物の横には
それらに埋まる様にして教会がある

ドラム缶に焚かれた火が、
教会をオレンジ色に染めていて

そこには大勢の背を丸めた人達が
穴の空いた靴を履いて
鍋から配られるスープを求めて
列を成していた ――――



「 Manhattan Valley. 」
テッドはそう言って

マイクは続けて事もなげに
「 "The New Collossus' 」と続け


「 What? 」と聞いた俺に
フェデリコが「Well... Sonnet.」 と
右手にドライバー
左手に新聞紙を抱え
自由の女神の真似をして見せた