いばら姫





「――― 妹がもし

何か特別な事情があって
食べる事も出来ずに
それしか選択肢の無い状況で
それを選んでいたのなら

彼は、妹と一緒に生きて行こう
そう決めていたそうです


…… けど
東京のお洒落な服、場所
遊ぶために選んだと聞いて
―― 彼は妹から離れて行きました




… 男はね 弱いんですよ

そういう過去を聞き
どれだけ物分かりが良さそうに
振る舞って居ても、我慢しているだけ

―――― 苦しいんです


中には
そういう環境に慣れていて
職業のひとつとして認識出来る人

それを彼女と一緒に
背負う覚悟の出来る、強い人が居る


―― でもそれが出来るのは

全ての男では無いんです



……好きなら好きなだけ
それが辛くて、許せない人も居る

そういう事は頭で理解出来ていても
何故自分の妹が

憤りで、真夜中の新宿

――― 女の子に声を掛けている男共

自分だけは絶対に
危ない目に会わないと信じ込み
平気でそんな時間まで出歩く女の子達を
昔は、ぶん殴って歩いてました 」




――― ミチルは目を泳がせ
下を向いた



「" 何も知らなかった "
それは"純粋"では通りません
… それがどんな結果を生むか
子供の頃からテレビや雑誌で見て
おおよその予測は付くでしょう




―― 厳しい事を言う様ですが

過去は消えません



けど
…このファックスが貴女宛てであっても
もしそれが皆に判って、
皆離れて行ったとしても

…… これからの貴女を
今の貴女を見て、
解ってくれる人も必ずいます



―― この蜂蜜レモン 凄く美味しいです

…俺、岡田さんが出掛けている間
ここに居座りますから
作り方、教えて下さい 」