道案内をしながら
花時計のある中央公園へ
植え込みのある公園周りの歩道には
犬を散歩させる若者が一人いる位で
外灯が薄く照らす園内に、人影は見えない
ミチルの住む、薄いピンクのマンション
段数の少ない階段をあがると
無用心にも扉の鍵は開いていて
――― 焦って中に入ると
携帯を握り締めたままのミチルが
俺の胸に飛び込んで来た
「 何があった?! 」
―― まずミチルの顔や体に
傷が無いか確かめた
その俺の行動に対して、
違うと言いたげに首を振る
ミチルがゆっくり指差した先には
店に置いてあって、
こっちまで持って来たファックス
――― 床に落下したままの紙は
まるで誘拐犯の予告状みたいな
新聞紙の文字を切り貼りした文章で
「…… 悪趣味だな 」
俺がそれだけ言うと
「…車、
誰かと一緒に来てるんでしょ…?
寒いし、中、入って貰って」と
ミチルは力無く笑った


