「―― 岡田君
今回の事は、触らない方がいい
痛みを身に受ける事が全て
正義な訳じゃない
人間は
物語の中のヒーローじゃないんだ 」
「 …敵に負けたヒーローっぽく
なってるのは早河だろ?」
「―――― ! 」
「…別に岡田に
孤軍奮闘しろって言ってる訳じゃねえさ
多少、あのボーカリストに
『お前ら何も出来ないだろ』
とも取れる感じの言われ方されて
カチンとしたのが個人的にあるから
冷静な意見とは言わないけど…
人の話だけ聞いて
やってみる前に諦めるの、
俺、あんまり好きじゃないのよ
だって俺は、その人じゃないからな
―― ただ
相手が得体の知れない、
何やらデカそうな相手だなってのは、
簡単に伺えるし 」
「―― 敵は、Global本社の本体ですよ
だからこそ
灰谷家のバックボーンがあってなお
あそこまで窮地に追い込まれた 」
「…… へ? 」
「―― 『Azurite』は、
ローグエル一族って事です 」
――― 早河さんの言葉に
吉田さんは 椅子からずり落ちた
「―― 吉田さんは噂に疎いから…
今回『Azurite』が向こうへ渡った理由は
… もうかなりの高齢ですが
あそこの総ボス、
シンディ・ローグエル夫人が
アズルを気に入って、
手元に起きたがっているのが真相
……我々一般があがいて
どうなる問題じゃ無い 」
吉田さんがいきなり席を立ち
俺の肩をパンパン叩いた
「… 岡田、 撤収 撤収!
―― やーっと
灰谷の言ってた意味が解ったわ
話にならない 何も出来んよこれは… 」


