「―― ハシバさん 」
「 はい 」
俺の後ろで黙って見ていた赤い巨体は
ハイヒールを脱ぎ捨て、
床に素足で立っていた
「…… 青山や 他の奴らはどうしてるんだ 」
「―― 岡田さんが繋がっている間に、
『 行く 』と即答しなかった場合
一切話すなと言われていますから 」
「…… そ うか 」
「―― けれど青山さんに関しては
想像、お付きになると思いますよ」
「 ―――…… 」
「 吉田さんも岡田さんも
上で待っておられる早河さんも
御自宅までお送りする様言われてます
当分は我々が周囲でうろうろしますが
目につかない様に致しますので
ご了承下さい 」
「…早河、上に居んのか?!」
「 はい お二人がここに降りられた後位に
随分雨に濡れてらしたので
着替えて頂いていますが 」
――― 吉田さんは早足で階段を駆け上がり
店内の入口際のカウンターで
早河さんは一人
半乾きの前髪を垂らしながら
湯気の立つコップを、口へと運んで居た
吉田さんも、
バーテンに何か頼みながら、その横に座り
ハシバは早河さんを挟んで、
扉側の席へと腰を降ろす


