いばら姫






オールドタイプの

―― 何て言うんだろう
プレスリーとかが歌っていそうな、
銀色の四角いマイクが一本

まだショータイムでは無いのか
ステージは暗くて無人

その横にある小さなドアが開かれて
黒い手摺りを辿りながら、更に地下へと潜る




地下駐車場か何かを部屋にした様な
コンクリートの空間

鈍い銀色の空調の配管が、
天井に剥き出しだ




ラメの衣装が壁を埋める闇の中心には
PCのモニターの明かり

そのポッカリ開いた空洞みたいな部屋に




――― 低い、掠れた声が響いた




『…… 岡田さん 気付くの遅すぎ 』



「―― 灰谷?! 」