いばら姫













「…… しかしまぁ

あれだな   岡田 」



「 はい 」


「……雨が降って来たから、こう、
傘を二人でさしている訳だけど

…ん〜…
やっぱり周りからは、
男同士のカップルに見えるのかね? 」


「――… ちょっとその想像は
勘弁して下さい 」


「…俺もちょっと言って後悔した… 」






――― 初めての、新宿二丁目

もっと薄暗い場所かと思っていたけど
ハデなショー・パブや、居酒屋
本屋やコンビニやらが並んでいて
一見普通の繁華街と変わらない


…… ただ歩いている二人組が
たいてい男同士なのと
店の前に立つ綺麗なお姉さん達の声が
たまにびっくりする位、低いだけだ


偏見みたいな物というより
『男は男らしく、女は女らしく』な環境で
バッチリ育ってしまった俺には
やはりかなりの抵抗がある世界だ


――― でも
人を好きになる気持ちには変わりが無いし
それは本人の自由だと思う

ただ自分には想像がつかない感情だから
答える事は、無理だというだけの話―――


一度あったんだ
高校を卒業する時、男に告られた事が


びっくりしたけど、一応 礼は言った

東京に出るとか言ってたから
もしかしたらこの街の何処かで
働いているかもしれないな――




「…どうしよう 歩いて探すか? 」

「コンビニで聞いてみます 」