いばら姫





会社前に停まっていたのは
白のカローラセダン


… 例の黒いバンは相変わらず対抗車線
早河さんが車を持って来た為か
少し距離を離して、前へと進んでいた


「…そんな険しい顔で
そっちみるなよ 岡田
談笑 談笑 」


「 は、 はあ… 」






――― 時間は夜の八時

指定の時間にはまだ間がある



車は丁寧に走り出して
高園寺の駅前

すぐに大通りに出るかと思ったが
早河さんは、ひたすら脇道を選び
途中でかなり低い、
コンクリートで出来たトンネルの下を通った


「―― あれ 」



つかず離れずついて来ていた
バンの姿が消えている

トンネルを振り返ると
高さ表示、1・4メーターと看板があった


「…ナイス、早河 」



――― バンの背が高すぎて
通れなかったのか


「――ここはマスコミ返しで、
良く使いましたから…」


「…あのさ
このレシート見て欲しいんだけど」


「―― レシート?」