「…あ、すみません」 ―― 足を出した男は そう言いながら、立ち上がり " お待たせしましたあ " お店のお姉さんが、そいつに弁当を渡し 男は すれ違い様に 何かを俺の手元に握らせた 続けざまにお姉さんが 俺にも声を掛けて来る ――― 何を渡したのかと …… 追って捜そうと思ったけれど 確認しようと振り返った時には もう男は消えていて ―― 灰谷の事情も知りたいし 俺は早足で、仕事場へと戻った