いばら姫






久しぶりの地元だったけれど
俺が任された仕事は、
ひたすら機材の組み立てと、レフ板持ち


汗だくになったり、
怒鳴られながら
その汗が一気に寒さで冷えて行きながら
延々と突っ立っていたり

感慨にふけるとか、
そう言った暇は、一切無く

そのロケは一日で終わって
すぐに東京へと とんぼ返り


会社に着いたのは真夜中で
風呂に入るとか何も考えられず
椅子を二つ並べて、その上に寝てしまった



――― 次の朝は叩き起こされ
当たり前の様に、
ホワイトボードの俺の名前の欄には
緑色のマグネットが貼ってあり



そのニュースを見たのは
最初の報道から、

――… おそらくはもう
一週間は経っていたんだと思う