いばら姫




走り出した車からの空模様は曇り

カーラジオからの予報は
夜から雨らしい




「 クリスマスまでは、
今日みたいに皆集まると思うよ

クリスマスの発表会があってね

頭から足先まで――
科の違う奴らが協力しあって
発表会やるから」


「 ああ だから 」


「 写す者と映される者で、見方も違う
よかったら、岡田さん
皆にアドバイスとかしてあげて欲しい

俺、引越ししちゃうから、
頻繁には顔出せなくなるんだ 」

「… そういえば、元々あそこの部屋
タカオさんが借りてたって 」


「うん ……大切な思い出の場所だし
仕事の関係で、移動するんだけど
放って置くと痛むし
だからって、
知らない奴が住むのは嫌だっていう 」


「…ミチルなら大丈夫ですよ
あいつマメだし
タカオさんの部屋だし、
大切に使うと思います 」


「 うん 判ってて頼んだ 」


「…… やっぱり 」


「 …最初、ミチルさんと飲み会で会った時
知り合いに少し雰囲気似てるって言われたよ

顔は全然違うね
俺、女みたいだし 」


「…結構、遊んでましたか? 」

「遊んでました。 」


変な連帯感みたいな感覚と
タカオさんの即答に俺は笑ってしまった



「でもねえ…
好きな子には、手、出せなかった
一緒に住んでたのに 」


「―― 昔はそういうの
理解出来なかったんですけど
…今は 少し

でも次に会った時には、
絶対逃がしませんけど 」



「――…俺も そのつもり 」


そう言ったタカオさんの顔が変わる



「俺も子供だったから…
結構…殴ったりとかしちゃって
最終的に出ていっちゃったんだけど…

もうあんな事はしないし、大事にする。


―― 実家に連れて行くつもりなんだ

彼女もそれを承諾してくれたし
今、そっちで待ってるんだ 」



タカオさんは幸せそうに笑って、
何だか俺まで幸せな気分になって来る