いばら姫






――― 皆がガタガタと大慌てで
扉を開けて出ていく音で目が覚めた


「 あ! 淳起きた!
昨日、起こすの8時で良いって言うから
今、7時半!

タカオさんごめんなさい!先行きます 」


「行ってらーっしゃい 」


タカオさんはヒラヒラと、皆に手を振る


テーブルの上を見ると
慌てているわりには、
きちんと宴の喧騒は片付けられていて
さすがはミチルだなと思った




「…あれ
タカオさんは大丈夫なんですか?」


「うん… 俺は卒業してるから

専門学校って、やたらと課題あるので
その手伝いで、借り出されただけ 」


「タカオさんって、
何やってる人なんですか? 」


「… 色々
服作ったり売ったり…
音楽もやったり、野菜売ったり
不動産屋さんも 」


「 フリーター ? 」


タカオさんは、「暇なし。」と言って笑って
俺も、この間までの自分を思い出して
ニヤリと苦笑してしまった



「 岡田さん 高園寺だよね
車で送るよ
ついでにオススメのバイク屋も教えます」


「マジですか? ありがとう! 」



タカオさんは、テレビを消して
ガスの元線と
ストーブのチェックをして

玄関先に残された、最近出たばかりの
Lodgeのブーツを履いて、外に出た


「―― おしゃれですよね タカオさん 」


「そっちこそ

…だって結局、
最初に人を判断するのって見た目じゃない?
確かに心が一番大切だけど…
親しく付き合うまでは、判って貰えないし
こっちも判らないし

こういう系統が好きなんですよって言う
解りやすい紹介変わりにもなるから」


「会話のキッカケになったりしますよね 」


「そうだよねー 」


マンションの自転車置き場の横の駐車場

タカオさんが乗り込んだのは
青のQ-beと言う名前の軽自動車

都会で乗るのなら
こういうのがベストかもしれないな