いばら姫




隙間のなかったテーブル前
タカオさんがミチル側に寄って
場所を作ってくれた



「タカオ君ってね〜
かなり映画好きなんだよ〜 」

ミチルがはしゃぎながら、
俺とタカオさんの顔を見る



「あは 代表的なのしか見てないよ
岡田さんって、映像制作会社に
勤めてらっしゃるんですよね?
凄いなあ 」


「えー!どこどこどこ?! 」

「俺の作った服使ってよ!
こいつツレなんだけど、
メイク出来るから! 」


「え… いや
まだ入ったばかりの雑用で… 」

「初めはそうっしょ
卒業した先輩とかに、話よく聞くけど…
毎日結構鬱な事ばっかりで、
やめようかなーとかね 」


「あーねー ハタさんも、同じ事言ってたわー」



「…でもさ、
そうやって…

準備して、足場固める人間が居るから
ステージに上がる人が
安心してやれるから… 」


俺がそう言うと、
凄い勢いで返答が返って来た


「あ〜!
恵まれてるんじゃない?岡田さんトコは
じゃないとそういう事言えないって!

そういう場所にいて、
自分が何もやらせて貰えないってさ
学校、何の為に通ったのかとか〜 」


「そう! そこだよな!
俺なんかもさあ、作った服持って、
色々回ってるけどお… 」



―――― ここからは愚痴合戦

… 来年の卒業を目の前にして、
不安なんだろうなと思う

行きたい道を進む為に頑張っているのに
先が明確に見えない恐さは
俺も知ってるし…