いばら姫





裏の公園には街灯

それなりに明るいが
夜の独り歩きは、あまりオススメ出来ない

真新しいベランダの物干し竿が
その光で青く反射する



―― 再び薄闇の中で点滅するランプ

マナーのままだったから、
一度目の着信に出そびれた



「 Asura 」


『ごーーーめーーーんーー!!
アズキャラ居た居た!! 』


「 え 」



『 あいつの名前さー
両脇にスペース入ってんの

俺、入れないで打ち込んだみたいで…
マジでごめん!!心配させたな!! 』





…… そういうオチか…

――― 何だ… 良かった………

Asuraの声を遠くに聞きながら
壁を ずる様に、へたり込んだ

自分の白い息が見えるのに
額に汗が吹き出る



―― ただのデータ

ここ数年
アズだって、殆ど触ってないだろう…



連絡が来なくて
勝手に思い込んで
……ただ焦る自分はもう嫌だ


寒気がして

白く煙り始めた窓硝子を開け
部屋へと戻った