いばら姫




…前はこんなに
怖がりじゃなかったのにな


少し咳込んだ所に、ミチルからメール


" 今どこ?まだ仕事? "


すぐそれに、" 新宿に着いた "と返信


すぐに電話がかかって来て
明るい声が耳元で響いた



『淳!!
兄貴がマグロ送ってくれたから
食べにおいでよ!』


「 おお いいね…って
お前の家、千葉で遠いべな」


『ふっふっふっ
やっぱり千葉から毎日、
慣れない満員電車に乗って
代乃木に通うのキツくてさー
知り合いが安くしてくれるって言うから
サクッと越して来ちゃった!

淳とこと、そこそこ近いのよ』


「 お前…
どうやってそんな知り合い増えるかな」


『あははは
さすが学校だからねー
科で合コン多いし、ほら
やっぱり
他所から東京出て来てる子も多いし
寂しいから自然とね

どうする?迎え行こうか?
公園のすぐ近くなんだけどさ』



「―― お前、PC持ってるっけか」

『 あるある 』


「…ちょっと使わせてよ
近く行ったら連絡する」


『はーい じゃあ待ってるねー!
公園のすぐ裏の、
薄いピンクのマンションだからー』




明かりが着き始めた
あまり高くないマンション

その真ん中あたりにミチルが言っている、
かなり広めの公園があって
平日の昼間にはサラリーマンが
ベンチで休憩したりしている



花時計の傍に立って、携帯を取り出すと

「 淳!! 」と後ろからミチルの声





「…本当に裏だな 」


驚いて振り返った先には
一階のベランダから身を乗り出して
ミチルが手を振って来た