いばら姫








玄関を開け
申し訳程度にある板の間を
ひとまたぎすると
朝、折り畳んだままの布団があって

急いでそこに
二人がかりで吉田さんを寝かせる

窓と、テレビと、押し入れ、
ユニットバス
スーツ二着と普段着が少しの部屋は
男三人入ると、いっぱいになってしまった


「狭くてすみません 」


そう言いながらハロゲンヒーターを着ける


狭い部屋はあっという間に温度があがり
早河さんは、黒いコートを脱いだ


「僕も君位の頃は
――結構最近まで、似た環境で過ごしてた」


差し出した灰皿に
軽く手で礼をしながら、
早河さんはタバコを吸おうと箱を出し

しばらく横になったまま
朝の天気予報を見ていたけど
ゆっくり瞼が落ちて、眠ってしまった



――― 俺は、コッソリとゴミ出しへ



電信柱の黄色い山に
ネットの隙からゴミを押し入れる

独身アパート


一応越して来た時に、両隣には
タオルを渡した


二階の住人や、
他の部屋に誰が住んでいるかは
全然判らない―――