数日後
高園寺から新宿
CMをひとつ撮り終わった頃合いで
皆が良く集まると言う飲み屋で
歓迎会を開いて貰った
吉田さんは酒が入ると
かなり喋り、笑い上戸になる事が判明したし
周りのスタッフ仲間とも
今までした事の無い様な量の
映画や、映像についての話に花を咲かせた
明け方
飲み屋前で、皆と別れた後
俺もかなり酔ってしまって
吉田さん、早河さんと一緒に、
ヨロヨロになりながら
駅への薄明るい通りに向かう
吉田さんがかなりやばくて
駅前広場
デカい映画の看板のライトの下
白い息を吐きながら
"Summer time Blues"を歌って座り込む
けれど早河さんは馴れているらしく
「この人酒好きなのに弱くてね
ごめんね 」と
脇に入って、体を支えた
「早河さん よかったら、俺の部屋
この近くなんで、寄って行きませんか? 」
「…そうさせて貰えると有り難いけど
―― 彼女さんに悪くないかい?」
「 …いませんよ」
「まさか!!
―― 阿尾森から勘当同然に
出て来たっていってたから…
そういう場合は彼女が居る物と… 」
「…… 好きな奴なら今、
マンハッタンに居ます 」
「留学でも行ったの? 」
「一昨日、日本を発って
―― 歌を、唄いに 」
「へえ… そりゃ凄いね
あー、寝たなこりゃ
悪い 少しだけ休ませて」
――― アズ
お前と出会ってから
世界が目まぐるしく変わって行くよ
この人達は
たまに雑誌の対談のページで見る
ただ二次元の存在だったんだから…


