いばら姫






松葉杖を頼って
屋上の入口

アズは降り階段の一番上にまだ居た




「 ――聞いてんなよ」




「…だって
独りで降りるの…大変だと思って…
…… じゃあ、私、帰るね

西さんのホテルまでの車、
ここまで来てくれる様に
電話してお願いしておく 」





――― 溶けるみたいな碧い瞳で
『またね』と明るく言うアズの笑顔

多分、これで当分会えない―――




俺はアズの右手を掴んだ