いばら姫


西には少しの間、
そっちには戻れない事を伝えていた



『―― もしもし? 淳かあ?
あのさ
放っといて良いって言ってたけど
少し部屋の窓開けに来たわ 』


「… 悪いね 」


『いんや
冷蔵庫には何もなかったから
帰って来た時
恐ろしい事にはならないけどな

…なあ、このジャムって美味い?』


「…多分ね 日付いつかわからんけど」


西と俺は笑って、
ジャムは帰ってから開ける事にした



『あ、 あとな
さっきついでに掃除機かけて

…ベットの下に楽しい本無いか
捜したんだけどなくてさ 』


「越してからは買ってないし
…そこじゃねえよ 」


『な〜んだよ〜…
そうそう
こんな事話そうとしたんじゃないんだ

…ベットの下からさ
クシャクシャの封筒出て来たんだけど

これ、捨てていいのか? 』


「 何の封筒? 」


『… え〜っと
"ショートフィルムコンテスト"
日付は今年の奴 』



―――――

「…… 捨てていいよ
落選した通知だから 」