いばら姫





―― アズは部屋に戻るかと思った


だけど

長椅子から降りると
白いパーカーを頭に被り、丸まって
そのままソファに横になってしまった


「…ボウズ!
ここじゃねえよ 部屋に戻れ!」


「 やだ 」


「 アズル! 」


――― アズは
両腕を突いて、起き上がり
真木の瞳を真剣に見つめた




「―― 淳は私を助けてくれた


… 出会った場所が何処でも
学校だって、二丁目だって、
ライヴハウスだって…

『Azurite』と変わらないんだよ
仲間なの!

作戦とか言ってるけど、
今、淳は実際大怪我してる

夜中おトイレ行く時とか
絶対誰かいないと困るもん!!」




真木は一瞬 困って

すぐに諦めた様に息を吐いて、
ドスンとソファに座る

扉近くのスタンドライトを新たに燭し
無言で銀の眼鏡をかけて
棚にあった文庫本を取り出すと
膝に開き、読み出した


それを見たアズは
横になったまま本を覗き込む

真木が本を
アズの方に少し寄せ
たまに質問に答えているのを聞きながら


俺は急速に

―――― 深い眠りへと落ちて行った