いばら姫






部屋を照らす明かりは、
橙色のライト

曇り硝子で出来ていて
キノコみたいな形をしている




「… ユキさん 」


「……… はい 」


「 "アズ"に…謝っといてよ

―― 俺はずっとお前を、女神扱いしてたし
… まだ何処かで欲してると思う

それは『Azurite』じゃなくて
…… あそこで眠ったままの
都合良く
俺が想像出来る『 Az 』



でも お前は女神じゃない

――― 無敵じゃない

何言われても、されても
平気なんて、あるわけない


……ホテルで言ったろ

『痛いなら痛い』って言えって…


それは俺にじゃなくてもいい


…灰谷はちょっとヤバイから
……池上とか
そこの足組んでる人とかでもいいや… 」



「…あ? 」


真木がガタンと椅子を鳴らし
足を思い切り組み替えた




「―― 俺は、"親掛かりじゃなくて
自分で作った自信を持って
お前の前に立ちたい"と言った

"それまで会いに来ないし
その時また、告白する"って


それに対してお前は
"わかった"って言ったんだ



……だから
こんなナンパ男の
気を引く作戦みたいのに乗って

会いに来たら駄目だ… 」




頭の中心が熱くなって
手の平で、額を抑えた


―― 碧い瞳の主は
オレンジの光に照らされ
俺の目を、ジッと見詰める






そして柱時計が動きだし

十二回、音を鳴らす







「…アズル 戻れ

遅くとも2時迄には寝る約束だ
― この休みで、睡眠リズム戻すぞ 」


「――― はい 」