いばら姫







「……淳が 熱出てるんだよ 」



――― ひと握り出来る
白い手首に腕を延ばした


「…… アズ 」


「 …イイエ 。" ナカムラ ユキ "です 」


「 …… 」





―― " ナカムラ ユキ "は

細い脚の椅子に座って
出窓の向こうを見つめる



「…… ユキ さん 」


「 はい 」



「… そこで足組んで座ってる茶髪、
どうにかなんない?
…心配しなくても、体中激痛で
何も出来ねえよ 」



「淳、ごめ…」


「 アズル おまえが謝るな

―― 岡田の立つ瀬が無くなる 」




「……はい 」




外は雨

ガラス一面に、水玉の糸
所々でそれが集まり、
一気に蛇行し落ちていく