いばら姫









―――― やっぱり、芸能界って
そういう場所なんだなと思うのは
この青山の変化からも、見て取れる


こいつ、
元々ガタイは良かったし
手足が長い


本人の自信とか、
内面的に変わって行くのも
デカイんだろうけど

コンテストの日に
間近で見た時と今とでは
―― まるっきりの別人だ



青山は
俺の頭一個上から
俯き加減に、言葉を吐く



「… 最近
『Azurite』が大きくなるにつれ
あずるの周りには、
彼女の威光や、そういう物で
近付く人間ばかりが増えて
少し色々とあって……

平気な顔はしていても、
やはりまだ若い女の子ですから



――彼女が気持ちを吐き出すきっかけを
ずっと探してました

だけどどうしても俺達では…



――― 怒らせる演技、
上手いですね 岡田さん 」




「… 何の事? 」


――…判ってやがったか

だけど、しらばっくれて
わざと口の端で笑う



「…親父連中は気が付いてますよ

ユカちゃんは本気で騙されてますけど 」


「…へえ あの子、
ユカちゃんって言うんだ

アズの友達とか言ってたけど
まだ日が浅いだろ

―― 多分、現時点では
灰谷の事 気にしてるのかな 」


青山は
「彼女は隠さないし、
隠せないから、わかりやすいですね 」と
今回の初登場時とは
正反対の表情で、微笑んだ



「…そんな事はどうでもいいんだけどさ
俺があんたを呼んだのは……!」


――― 俺からいきなり向かって行った


殴りかかる度に、
青山は手を使わずに
足だけで対応して来る

――もっとも
足が一発当たったら、潰れそうだけど



…どうするかな

こっちが汗をかき始めてるのに
冷静なその目が、ムカついて
――青山を、本気で怒らせる事にする













「…… アズってさ

――― 耳と首、弱いよね 」