いばら姫






「"…青山さんが
行って来いとでも言ったか…?"」


「………うん 」



「"…帰れ "」



―――― アズの顔が怯む




「……おまえが俺に会いたくて
抜け出て来たんじゃないなら
…来なくていい」


「 …淳  」

「 ……触んな  」



――― 少し出したアズの手を
避ける様に後ろに下がり
そのまま『台詞』を続ける




「…そりゃ余裕あるよなあ?
おまえの最初の男だもんな

俺は嫌いだあんな男…

人の事見下ろすみたいに笑いやがって!」



「違うよ 淳
…リュウジだって、傷、
いっぱいおってるんだよ」



「どこがだよ
……おまえも同じだよ

もっと、文句言えばいい
今の俺なんか
今のおまえに比べたら
遥か下の存在だ


―― オンラインの時と
だいぶ立ち位置、変わったよなあ

…なあ
回復してくれよ アズさん

それがおまえの役目だろ?!」






―――― アズの眼に
泡立つみたいに涙が溜まって


白い右手が、俺の頬を打つ