いばら姫






「… 淳 久しぶりだね 」






大勢の視線に磨かれた、白い肌

服の皺すらも
誰かに仕込まれたかの様に動き



そして
――― ここに居るのに、
ここを見ていない、強い眼は
青い、人工宝石の光





…… あいつら、気が付いて無いのか?

たまにしか会わないから
俺が変化に気付いただけなのか?



… これはアズじゃない




――――― クリスマス

車の中で
大口を開けながらポテトを頬張っていた

噴水の前で小首を傾げた


ファーストフードのメニューを覗いて
悩んでたアズじゃ無い



偽物の、
良く出来た柔らかい笑顔の中に

―――全ての気持ちを隠してる





「 元気だった? 」


アズがそう呟いた時
少しその瞳に、俺の知っている光が戻った

切なくなって

「 うん 」と 一言だけ






―――― 何を考えてる?

何を我慢してる?



…… 俺は へっぽこでいいって言った




――― 俺が聞いても、
答えないのは判ってる

もしかしたら、
誰にも言わないつもりなのかもしれない


…… どうしたら聞き出せる?


俺じゃなくてもいい


あの女の子でも

灰谷でも


……… 青山でも




―――― 言えないから
こうなったのなら