いばら姫





受付に座っている
管理人に挨拶をし、ロビーに入った

茶色いベストに半袖
白い髭を生やした、人の良さそうな男性だ



――四人席には座らず
景色の良い、窓側の椅子を選ぶ


空と海が見えるそこは
硝子張りだが、遮光シートが貼ってあり
日差しの割には暑さは無かった




「何、飲む?」

「あ 」


自動販売機の前に立ち、注文を聞く

「あの、じゃ オレンジ…」


ボタンを押して出来上がりを待つ間に
タバコを取り出し、火をつける



女の子の前にジュースを置いて
タバコの箱を置いた時
中身がかなり減っているのに気付いた




「ごめんね
さっき、灰谷君がいなかったから」

「…いえ」


まだ知らない男に
緊張しては居るものの
ジッと俺の様子を観察し、耳を指さした


「最近は、外してるんですか?」


「え…ああ だいぶ昔だよ
してたのは

もう何年もしてないんだけど
――塞がらないもんだね」



「あ」

女の子はそう言いかけて、
慌ててやめる

ワタワタしていて
……何か変な事でも言いかけて
やめたのかなと思う

だけど知らないフリをして
顔を見て笑ってみた


「ん?」



「…あ…あの!どうするんですかこれから

アニキ、アズさんに…あっ会わせる気
全然無いっすよ?!」



「…ねえ  どうするかなあ」



―――― 最悪
ぶん殴られようが、ぶっ飛ばされようが
アズに会う気なら、どうとでもする


でも今回の気掛かりは何のつもりで
あれをカットしたかって事だ


――― それが知りたい






……… 俺が出来る事は何だ?



" 映像作家志望、24歳、フリーター

何も無い、
オンラインでアズを好きになった男"に