「…でもよ 」
「ん?」
「…その男、随分ヘタレじゃねえか?
―― 女一人、
まあ、状況解らないから
何とも言えないけど…
結局守れなくて
その後、傍にも居なかったんだろう?
…俺だったら
そんな大事な奴がいたら
何があっても、
―――絶対、傍に居てやるのに… 」
それを聞いて新原は
一口、酒に口をつけると
声のトーンを落とした
「……あずは 一度
彼の腕の中で、心臓、
止まったんだって」
「……… え 」
「… AKARIさん経由で
その場に居た看護士さんの話を
聞いたんだけど
そのベーシスト
全身、あずの血で、
真っ赤に染まってて
それでもずっと
抱き抱えてた事が
命を救った要因の一つでもあって
ギターリストが、沢山輸血して…
二回目にあずが危篤になった時
そのベーシストさん
少し心を、壊してしまって
病院に訪ねて来た時には
あずはお父さんに連れられて
外国に行ってしまっていて
もう
会える術が
なかったんだよ…
AKARIさんの話によると
――刺した人
そのベーシストさんを
刺そうとしたみたいなんだ」
「…な
それなら余計………!!!」
「…Maxim
――岡田なら、もし仮に
岡田を好きな女の人が
あずを刺して…
平気であずの前に、顔を出せる?
…俺は体操ばっかりで
危険な付き合いも
過去に何もないけど
もしそんな事があったら
平気な顔して
あずに会いには行けないよ…」


