いばら姫





――… 何言ってるんだ
俺の所に連絡なんて来る筈無い









数分して、
『 Az 』から着信

けれど声は、灰谷で



『…ごめん 場所移動した』




「こっちに連絡くれって事は
アズ居ないのか?! 」


『…今、皆で
伊豆の保養所に夏休みに来てる

さっきまでライヴ映像見ながら
ビーズでアクセサリー作ってて

"足りないビーズ買って来る"って
出て行ったよ 』



「…… 居ないのか?!

あれ何で…
オープニングアクトだぞ?!
普通カットなんてしないだろ?!」



『… 『Azurite』の皆で決めたんだ

"望みは果たされた
最高に贅沢なタイムマシーンは
あの場だけ"って 』






「おい…
―――――― 何だよそれ

…なあ、アズの気持ちはよ?!
周りの奴ら、何考えてる?!

――― あいつに取っちゃ
全てこれからだろう?

望んだ世界にやっとたどり着いたのに
"望みは果たされた"だ?!

テメエらが目的地に着いたら
…あいつを
用済みになったら捨てるのか?!」




『…… 『Azurite』の皆でって言ったよ 』


「…『Azurite』の皆って何だよ!! 」



『… アズル、空哉、海平、青山
全員 " 青 "

『Azurite』って青い宝石があって
歌を唄うって伝説があるんだ

――― それに擬えて
皆がバンドに、つける筈の名前だった

それに
カットを言い出したのは、アズだよ 』


「――…… 何考えてんだよ!!
とにかくそっちに行く!!
切るぞ!! 」






クローゼットから服を引っ張り出す

西が居るのを忘れていて
肩を揺すられて、思い出した