いばら姫






あずとは
俺がRELIEF、引退する前日に
デビューする事を話してくれて



俺も手術を控えてたし

だからお互いに頑張ろう
そんな話をして
あのお別れ会で、その後は
ほぼ連絡を取ってなかったんだけど

オフ会の話が、Asuraから出て
俺、ファンクラブ入ってるからさ

メール送ったら、連絡が来て
AKARIさんにあず来るよって
皆に伝えてもらったんだけど

…Maximにはもちろん
あず本人から連絡行ってるって
皆思い込んでたから
びっくりの巻きになったみたいだけど」


「…びっくりも何も
記憶の事だって、さっき聞いたよ」


「………てっきり
あずとMaximは、付き合ってると
思ってたから…」


「――― 返事されてないからね
…俺は、言ったけど」


「…そういう大事なこと
なんで言わないんだ あずは…」

「――話されてるだろ 」


「あれは…
前にも言ったけど
俺がオンラインでの、初の友達だし

…ケガ仲間?っていうのもあったし

仲間意識のが強いから
…何だろう

あずは変に壁作る部分もあるから
愛想も良いし、でも…

…ネットっていうのも
確実にあるんだろうね


しかもリアルにそんな
夢を誓い合った仲間がいたなら

虚像の世界での事は

…その場限りの、
空白を埋める為の
時間だっただけかもしれない…

あ 別にMaximとの事がどうとは…」


「…いいよ

俺だってずっと
…魔法に夢見てた部分も
確かにあったからさ」



――だからアズは
『私の事、何も知らないのに』って
ずっと言い続けてたんだ…



そして
「過去の事なんて気にしない」と
カッコよく、豪語した俺に

乱暴な程の激しいリアルを
鼻先に剣を突き付けるみたいに
俺に向けている―――