いばら姫






ステージから拡がる、観客席を囲む壁

最後尾の
俺が居る席列の端に、
小さな扉があった


「…岡田さん
あそこから行きましょう 」






――― 少し背を屈めて、それを潜った

壁と壁の間
左向こうには観客席の声、
右には壁を透かして通す、屋台の光


ステージへの裏口には
ダンボールと木材
別の催し事で使われたのか
青い空の書き割り


――― 舞台横からは、階段が伸びていて


そこを右に入った楽屋口では
激しく人が、出入りを繰り返している


… 何か起きているのは
雰囲気で判った