いばら姫



「AKARIさん ごめんね

うん Maximと合流出来たから
少し、飲んで行きます

…あずの様子はどう?
うん うん

AKARIさんが居れば安心だけど

…え? あははは

じゃあ、また後で
AKARIさんも、寝ていて下さいね
はい それでは 」




『…いこっか』と
携帯を切り、俺の肩を叩く


新幹線の駅がある街は
新宿並のあかりが、夜を照らしていて
アスファルトの上を
幾つもの足音が行き交う



「小腹減ったし
寿司か焼き肉食べない?

あ…でも焼き肉だと
においつくかな」と

アイボリーの
麻のジャケットを気にしている


「…どっちでもいいよ」と
笑って答えると

「うーん」と少し悩み始めた



"Oーzone"の服
ナチュラル指向のブランドで
麻や綿生地が主流
スポーツ選手が好んで着る
派手なブランドでは無い

シルエットが綺麗な
体を締め付けないデザインで
新原に、よく似合っている


繁華街に入ってから新原は
黒い縁の、眼鏡をかけた



暫くして
「ここ、面白そうじゃない?」と
新原が、一軒の店を指差す

『海鮮居酒屋・海』という
筆書きロゴの看板に反して、
店のデザインは、
オシャレな創作料理屋っぽい

俺が頷くと
新原が先に立ち、扉を開いた