いばら姫





AKARIさんは良く笑うし
ミチルも基本人見知りしないから
すぐに打ち解けた

GONGさんは無口ながらも、
その横で微笑んでいる


AsuraとHawkが
道を歩きながらも携帯を弄っていて
しっかりSeroに、怒られていた




―― オレンジに染まったビルの下に
森の影が見えてくる

そして
予想をはるかに越えた人が
鋪道を黒く、染めていた



「…なんか、凄い人じゃねえか?!これ!」


冬に来た時とは違い、
まるで何かのお祭り騒ぎで
かなり大きな声を出さないと
隣の人間に、話が聞こえない


タコ焼きや、焼きそば
キャラクター商品を売る屋台

何故かセーラー服を着た四人組が
かなり盛大にはしゃぎながら、
"CheaーRuu"の顔がついた団扇を買っている

灰谷がシルバー、 緑川はグリーン、
赤池がレッド、 …青山がブルーのバック



「…戦隊物かよ… 」


俺のすぐ横
それを聞いて、Asuraが爆笑した



もう野外席への鉄柵は開かれていて
拡声器で
『走らないで下さい
当日券はありません 全て指定です

入口の係員にチケットを見せて
誘導に従い、ゆっくりとお進み下さい」と
放送が繰り返される


スタッフに
「中に入ったら、もう出られませんか?」と
AKARIさんが質問


「本番が始まるまでは、
半券を見せて頂ければ平気ですよ」
との穏やかな返答


戻って来たAKARIさんから
「始まったら、出て戻って来た時に
半券も渡して、
だから二度目は出たら、戻れないって
…なんかスッゴい厳しいね…」




―――― 当然なのかもしれない

Global事務所総動員のコンサート


アズ一人が一瞬ライヴに出るだけで
あれだけの警備が居た

…今は "CheaーRuu"も居る


そんな事を思っていたら
入口で少し騒動


注意事項に"ビデオやカメラ等
撮影機器の持ち込みの禁止"

隠し持っていたビデオを
取り上げられた奴が
係員に食ってかかっている


そこへ
奥からニュッと姿を現わした
巨体の丸坊主