いばら姫





「……Maxim!!」


すぐに追って来たのは意外な事にSeroで

まず、ちょっと街中で
"Maxim"と呼ばれたのが恥ずかしかった


仕返しに、少し大きな声で
「何だよ "Sero"!」と呼ぶと

意味が解ったらしく
言い直そうとしたらしいのだが

「ええと、………ごめん
名前、知らないかもしれない…」

「…ああ そうか…」


――― 俺はSeroが新原だという事を
こいつがテレビに出ているから
知っていた


Asuraには携帯と本名を教えていたけど

ネットの無言のルールで
例え仲間内で
誰かが誰かの名前を知っていても
本人が教えない限りは教えない
みたいなものがあって

…新原とは
俺はリアルで交流していたわけでは無いし
知っているはずもないのだ


「……岡田と、いいます」

「岡田君か」


新原は笑って

「駅の方まで行って
飲み直さない?

来る時、ちょっといい店
見かけたんだよね」


――― 綺麗な標準語