いばら姫





「いやあ!驚いたなあ

僕の姪っこが、
結婚するんで呼ばれてね

式場に直行したんで、
予約したホテル探してたんだけど…

助かりました!
ありがとう!岡田君! 」


「 いえ この辺は 知ってるので」



―――二人立っているのは
観光ホテル前では無くて

以前、俺が東京で泊まった時の様な
地味なビジネスホテル


梅川医師は安心した様に
ゆっくり肩を廻した



「岡田くん!
もし急ぎでなかったら
部屋、寄って行かない?

お茶くらい出すよ 」


その場を立ち去ろうとした俺に
梅川医師は、人懐こい笑顔で
そう声をかけて来る


―――― アズの話が聞けるかもしれない


ただ それだけで ついて行った