いばら姫





――― もうやめようか

そう思う


苦しい事しか無い

たまに見付ける光だけを頼りに
先を進むだけの毎日


大学の頃
食う物も食わないで
役者を目差してた友達が
満面の笑顔で言った

" あのスポットライトを浴びると
もうやめられなくなるんだ"


――― 財布の中に
小銭しか無い生活を
自分は味わった事が無い

それで
『何も要らないから』と
そう思うのはただの阿呆か――?

もし何かを得る為に
何か捨てなければいけないのだとしたら

どれ位捨てれば、それが手に入る?




―――――― アズ

ほんの少し、俺は思うんだ

お前が あの刃先に 自ら進んだ時

『青山の命を助けたい』
それが一番ではあっただろうけど




――― 初めて掴んだ幸福

何処かで
その命と引き換えに
時を止めたいと願わなかったか…?



"  他に何も要らないから  "



そう歌ったお前の気持ちが
今、本当に判った――――