画面は変わり――――
白いコートに
口元までのマフラー
赤いレンガの町並み
幌のかかった道の市場
恰幅の良いおばさんや
パイプを吹かした白い髭が
木樽に座り、果物を奨める
『Azurite』は
謎の紅い小さな実を手に置かれて
それをいきなり口に入れたが
彼女にはかなり酸っぱい様で
じたんだを踏んでいる
周りの店主達は笑い
ジュース屋の若い青年が
急いで温かい飲み物を渡している
『あ でも美味しいかもしれない
最初酸っぱいけど
蜜柑みたいな味がする 』
それから街の小さな服屋で
可愛いワンピースを見つけて魅入り
『いいなー あれ
…いいよね?』と
カメラに向かって、ねだる仕草
夜にはさっきの城の部屋
そこの家族も交えながら
大勢のスタッフ達と食事――
―――― 『Azurite』の日常
後に
"天使を降りた『Azurite』"と
この番組を取り上げた記事を見た
二次元に近い存在だからこそ
夢の存在として
認められていたのに――と
けれど
口さがないのは一部マスコミと
特殊なファン層だけで
『私達と同じ様に、服を見たり
悩んだりするアズちゃんに
好感を持てた。
前より好きになった。』
『なんか、
身近に降りて来てくれた感じで嬉しい。
アズとあの石畳を
一緒に歩きたいと思った』
そんな意見が大多数で
それと
あのメンバー募集発言を
ちょっと広めに理解したファンから
"アズと一緒にバンドがやりたい"と
カラオケ映像やら
プロフィール等が沢山届いたらしく
"誤解をさせてしまい〜"のお詫び文が
ホームページに載ったらしい
そして
直後に出た
メイキング映像付きのプロモは
今までで一番のセールスをあげた
―――― だけど


