いばら姫











――――自宅に戻ると
玄関のドアが凍っていて
開けるのに少し手間取った




…今年はいつもの年より
冷え込みが激しい気がする


キッチンの電気だけを着けて
取り敢えずヒーターのスイッチ


手を擦り合わせながら
玄関先の新聞紙を何枚か取って
濡れてしまった靴の中に入れ、
縦に立て掛けた



テーブルに
車のキーと、タバコを投げ

親戚の子供に渡す為に買ったお年玉袋を
コートの内ポケットから出して
ハンガーにかけて
立ったまま、テレビをつけた



夕方からやっていた
お正月番組が
こんな時間でもまだやってる


若手芸人が
顔を粉だらけにして
観客は大笑いだ

他に回したら、殆ど砂嵐―――




だけど

"あの目"が見えて
チャンネルを止めた