いばら姫





―――そして俺達はまんまと
例の部屋の、前に居た。






「…あの…岡田さま
エレベーターの中での事は…
その…
お客様に個人的に
電話番号を教える事は
違反行為な物ですから…」


「…わかってます
サキさん

明日の夜…空いてますか?」


「えっ あ…
わっ 私はここで失礼致します!
ま…また御用事が済んだ
お帰りの時にでも…

……ま 待ってます…!」





バタバタと駆け出し
"サキさん"はエレベーターに戻った




『…岡田さん
本当に明日、あの人の事、誘うの? 』


「誘わないよ」


『…でも、空いてるかって』


「…俺、"誘う"なんて
一言もいってねえべな 」


『…………勉強した 』



「…んで。どう扉を開けさせる?
通常はホテルマンしか上がって来ないし
振りして開けさせた所で
服見てすぐ閉められるかもしれないぞ

…無理矢理中に入って
騒がれたら終了だしね 」


『…だから"声"を
貸して欲しかったんだ

今度のは、
少し、難しい役どころ―――』