いばら姫



白いカーテンを開き
小さな診察室のベットに
アズは横にされた


梅川と言う医師は
聴診器を耳にあてながら
少し灰谷を睨む


「…何、使ったの…?」


『…CHC13 』


「……クロロホルムは
不整脈を起こさせる危険性があるんだ
…それ以前に、こんなやり方しちゃあ
ダメじゃないか…!」



『…だって俺
アズの事、殴れない…』


「…コンテストの時
あんた、殺すとか言ってなかったか?」

『…それは別… 』



「二人共、そっちで待ってて」


医者は、カーテンを閉めた






『…アズは
梅川さんに頼んでおけば、安心

俺はこのまま
また赤坂に戻って、公会堂でライヴ

……岡田さんには
そのライヴが終わった後
赤坂の 』

「…"プリティ・ウーマン"の
部屋があるホテルだろ 」


『…場所、わかる? 』


「判るも何も…
今朝までそのホテルに泊まってたし…
だけどまだ手伝うとは
一言もいってない」


『 …どうしようか考えてた時に
神の采配… 』


「…だから!勝手に決めてんなよ…」



――― その時ベットから
ガシャンと金属の物が倒れる音


「アズ?!」
『アズ!!』

二人同時にカーテンを開くと
アズが医師に手を掴まれ
必死にそこから逃げようと
暴れていた