いばら姫




森木レオに似た
童話を読むのが似合いそうな声が
少し緊張した空気で
灰谷を呼ぶ


一階はオープンカフェの
自転車が何台も停めてある
竹田ビルと書かれた
ビルの狭い入口から

少しくたびれた理科教師の様な風貌で
サンダルを脱ぎかけながら
その人は、降りて来た


入ってすぐの
銀色のプレートの三階部分に
『梅川クリニック』の表示


小さなエレベーターがあって
俺は一番最後に
そこに乗った