いばら姫




『…アズ!!お願いだよ!
落ち着いて!!
……俺だって
ただ黙ってた見てた訳じゃない!』


「…嫌…離して……!!」



『…ごめんね アズ』




―――灰谷はポケットから
素早くハンカチを取り出すと
暴れるアズの口元に充てた

片腕でアズを支える
冷静な灰色の瞳

…一粒 涙を流し、
崩折れて行く、細い体を見詰める



「…何した…」



『…見て判るでしょ
眠らせただけ


…ねぇ 岡田さん

貴方、確か阿尾森って言ってたよね? 』


「…ああ 」


『……お願いがあるんだ
力を貸して欲しい 』


「…青山を助けるってか? 」

『…そう 』



「……あのさ?
何故俺があんたらのバンドの為に
力さ貸さねばならないのよ

青山がどうなろうと
――俺の知ったこっちゃ無い 」



タバコに火を着けて
強く、灰谷を睨んだ




「…アズ、こっちに返せよ
……………早く…!!」