いばら姫




『…用賀坂に、
"M"って店があるんだ

サバゲーとかやってる
ガンマニアのマスターが居る店で…

あそこは
業界の人のたまり場で
…あの女も飲みに来てた…

スタジオの控室の前で
マネージャー蹴ったりしてるのも見てたし
しつこく声かけて来ても無視してた…


そしたら、
この世界で生きて行きたくないのかとか
叫び始めて…

青山さんが間に入って
あの女の相手、
し始めてくれたんだけど… 』




「青山さんに、今度は逆に
夢中になっちゃったってワケね…」


『…そう

それでも最初は
のらりくらりとニッコリ笑って
連日の誘い
上手くかわしてたんだけど…

脅迫紛いの事始めて…』



「……脅…はく…? 」



『…最初は
緑川さんの、
…あの人も十代の時は
結構悪い事してて…

それをどっかから引っ張り出して来て

緑川さんはブチ切れて
バラすならバラせって…


でも次には
―――俺が施設に居た事とか
…俺の今の父親、政治家で…

青山さんが…
美談でもひっくり返す世界だから
表に出さない方がいいって…


…今夜はクリスマスで
あの女

赤坂のホテル
"プリティ・ウーマンの部屋で
待ってる"って…』


「…あんた…何で
そんな事まで知ってる…?」


『…秋場原のフツーの店で
フツーに売ってるモノを
使って聞いただけ…』




――― アズが
何も考えずに走り出すのは
判っていたから

片腕を延ばして、即座に止めた


「アズ ……どこ行く 」



その反応と同じ位速く
灰谷もアズを羽交い締めにした