いばら姫



『…園内にある日比谷公会堂で
クリスマスライヴがあるんだ…

ツアーファイナル


ここには図書館もあるから
空き時間、
少し本を読みたくて歩いてたら
貴女達が居た


……アズ この人にするの?』



アズは目を見開いて
そしてぼんやりまた、下を向いた

ダークグリーンの肩先に
俯いた髪が さらさらと落ちて行く



"CheaーRuu"のヴォーカリスト・灰谷は

さっきまでの表情を一変させて
しゃがみ込み、
アズの両手を取って
かなり狼狽して、その顔を見上げる


『…責めてるんじゃない
誤解しないで アズ


―― アズ もしかして
青山さんのあの醜聞記事の事見たの?

気にしてるの…?

理由、聞いて無いの…?』



「……だって
あの女優さんテレビで…
いい交際…してます…て」


『…泣かないでアズ!

あれは…
――俺達のせいなんだ

青山さんは俺達の為に
壁になってくれただけなんだよ…!』



「…おれ…たち? 」



『……そう


最初はあの女

俺にちょっかい、かけて来てたんだ……』