いばら姫






「…淳 」

「…何? 」


「…うどん…
どうや…って運ばれて来ると思う?」


「普通にラップさ 掛かって来るだろ」

「…銀色の…丸…いフタだったら?」

「うは 無いだろう それは」


「わかんないよ?
高…級ホテルだもん」


「じゃあ賭けるか?
俺 ラップな 」


「な…に賭けるの…? 」



「 やらせて。」

「!! 何そ……!」


「アズは何賭けるのよ
…リップも持って無い女に
あまり期待はしないけど。」


「むー…うーん
コート… くつ…下…? 」


「ヘンタイ親父じゃねえから
いらないって

――――― あ、 これがいいか」


「…? どれ? 」

「 この耳のピアス 」






――― アズの動きが止まって
俺はすぐに、勘づいたけど

敢えて、知らない振り




――その時ノックの音がして

アズを俺の膝から降ろして
扉へと向かう




服の肩口を直すアズを確認してから
ドアを開いた



頼んだシャンパンとフルーツ
サンドイッチと
うどんが
銀のカートに乗せられ運ばれて来る



「ありがとう」

「とんでもございません
御用の時には、すぐに
御呼び下さいませ」




扉は閉まり
――ドアプレートを裏返す


「――アズ ほら
普通にラップだぞ!

グラスだけ取りに来いよ」



「………てない 」


「え…… どうした…?!」


少し泣きそうな
アズの声に驚いて
慌てて傍に走った




「……腰 抜けて 立てないよ…」



「…やっぱりアズ
耳とか首筋弱いな

俺、他に何もしてねえし」


「…なにその楽しそうな顔〜〜…」

「 嬉しいからだろ? 


……痛かったら



痛くなんて絶対しないけど
…ちゃんと言え

気持ち良かったら
ちゃんと言ってくれると嬉しい

…何も我慢しなくていいから」