何処かから
ゴスペル――
センター街の中心にある
小さな広場には
周りをセレクトショップが挟む
赤いレンガの坂
真ん中には、小さな噴水があって
若者が腰を降ろしている
その坂の上で
誰か集団が、歌を歌っているらしい
「―…こんなとこあったんだ…」
「…デカいデパートか何かの跡地に
今年の夏出来たって
雑誌か何かに載ってたぞ」
「おーー
あ 淳! これ…
"天使へラブソングを"で
皆が歌ってた曲だよね?!」
「……うん そうだね
ウェーバー演じる修道女が、
初めてゴスペルを
教えるシーンだ 」
「……淳は、映画 撮らないの?」
「…何アホ言ってんだよ」
「今日ね
あのスタッフのお姉さんいたでしょ
カイヘーの
あの映画のスタッフさんで
"PACIFIC PIECE"の
今井さんって言うんだけど
あのお姉さんが
淳は、もし撮りたい人なら
一回参加してみませんかって
そう言ってたよ」
「……え 」
「あーんなに
撮影機材凝視してる人
あんまり居ないって
エキストラに参加する人は
皆結構、俳優希望だったり
出演者の人目的で来るから…
今日は特に、
人気出て来た茜ちゃんが居たから
彼女目当ての人が、多かったんだって
……後継ぎの話聞いてたから
この話するの考えてたんだけど
凄くやりたいのに
事情でやれなくて、
キモチ隠してる人も居る
そういうのなら
心乱しちゃいけないし
そう思ったけど…
―――― やっぱり
映画の話してる時の淳の顔は
凄く綺麗だよ
その顔でナンパされたら
着いて行っちゃうよ!」
「…そんなナンパの仕方
した事ねえよ…
…おもしろい奴だな アズは」
「あはははは 」
「……興味はあるけど
俺、阿尾森だしな
それにあいつは、アズの関係者だろ
…アズにちょっかいかけてる男を
身内に引き込む訳ねえべな」
「あ カイヘーは
そういうの関係ないよ」
アズはキッパリ、言い切った


