新宿とは
ホームで電車を待つ人間の種類が変わる
―― 年齢は一段階下がって
床を鳴らす靴音も、
流れる空気も、何だか軽い
その分、電車から降りた後の
人の流れが好き勝手で
アズから手を離さない様に
気を使って歩いた
駅の何口とか
あまり考えずに
降りのエスカレーターに乗って
白いタイルの地下通路に出る
構内の店が幾つかあって
広い昇りの階段
蛍光灯の
白明るいそこから夜の街に出ると
やはりそこにも
クリスマスツリーがあって
左の改札と、向かい側のデパートからは
俺達と同じ年頃の一連が
頭だけの石像
"モヤイ像"の周りの鉄柵に座ったり
周囲にあるベンチで
携帯をかけたり弄ったり
待ち人が来て、顔を明るくする流れが
そこかしこで見られた
ハチ公は、あまり目立たない
後ろを振り返ると
大きく八の字に開けた
ネオンとスクランブル交差点
何処かから
クリスマスソングが
止まる事なく流れている
―― ある意味
流行りものしか売っていない服屋
デカい看板のドラッグストア
センター街のアーチを抜けると
ファーストフードや
ゲーセンの賑わい
「プリクラ結構列んでるな」
と言うか
ゲーセン入口には、
プリクラしか置いておらず
申し訳程度に、
クレーンゲームがあるだけだ
「プリクラ撮った事ない」
「は?!
お前いつの時代の人間よ?!
…撮るぞ」
「そうじゃのう…
あれはとても暑い日で
我らはWANに向かっていたんじゃ…」
「クエストの一節はいーからこっち来い!
……何でそんな
悪党みたいな顔してんだよ!
可愛く笑いなさいよ
―― 幼児化してどうすんだよ!
ちょっ 腹痛いからやめろ」
―――かなり悪ノリして
イタズラ描きばかりの一回と
二回目は、
そのせいでアズもほぐれ
かなり可愛く笑った顔が撮れた
… 俺自身も
"へえ
俺ってこんな顔して笑えるんだ"と
自分で他人を見る様な
見たことの無い表情で
それを二人で
半分に分けた


